緩和ケア医・廣橋猛医師のもとで9日間の入院ライフ①

セルフ・ラブ(自分を愛する)

(アイキャッチ画像は、愛用パジャマを来て相部屋で横たわるクロエの脚。クロエはレンタルパジャマが好きではありません。理由1:ジャストフィットのパジャマが配給される可能性が限りなく低いこと。理由2:みんな同じ色柄素材のパジャマが囚人服みたいで自分が病棟ナースから監視されている感が高まってイヤ。)

5歳の時、2ヶ月半に及ぶ長期入院生活で嫌気がさして「もう絶対に入院なんかするものか!」と子ども心に誓ったハズなのに中年になった今、ブサマにも入院ライフに突入してしまった

「入院すると周りから優しくされるのが嬉しくて意識しないところで病気になって入院したい」という潜在意識を持つ病人も中には一定数でいらっしゃるようですが、クロエは入院ライフがイヤなんです。

まだクロエが5歳の時、母上が隣で運転する軽自動車車内で「頭が痛い」と訴えたのに「フン、どうせ仮病だろ!」と母上から言い返され、その後、5歳児のクロエの意識が無くなり、気がついたら市民病院の幼児病棟のベッドの上でした。

母上は来ず、代わりに義理の曾祖母(乳母)が付き添いにいてくれました。

1ヶ月後、祖母の付き添いに切り替わりました。

 

どんなに待っても、

母上は来ない。

母上は来ない。

母上は来ない。

最後まで母上は長女クロエの付き添いに来なかった。

幼い頃から妹アーニャに双子のようにベッタリだった母上。

 

※母上をお姉ちゃんに取られたくない一念から妹アーニャがドンピシャのタイミングでオタフク風邪を発症していた事実をずいぶん後になってから知りました。

それがクロエの5歳の時の、2ヶ月半に及ぶ長期入院生活の、まったく楽しくない記憶です。

 

この時、幼クロエは「自家中毒症」と診断され「お野菜を食べようネ」と小児科の担当医師から言われ、お世辞にも美味しいとは言えない餌のような食事と、子どもの体の細い血管にイヤだと言ってるのに毎日毎日点滴を打たれ、注射針を入れる血管箇所が両腕両足ヤリ尽くして、とうとう無くなってしまい、2ヶ月半にも及ぶ、イタイ・ツライ・不味い・自由のない・母上は来ない入院生活に嫌気がさして、

「もう絶対に入院なんかするものか!」

と子ども心に誓いました。

誓ったハズなのに、あれから数十年経て中年女性になった今、ブサマにもクロエは人生二度目の入院ライフに突入してしまいました。

緩和ケア医・廣橋猛医師のもとで9日間の入院ライフ①

1ヶ月間、仕事の無理を重ねて来ましたが、とうとう入院となりました

3ヶ月前から7月中ばの出張に向けて、しっかり準備をして来ました。6月の秩父の三峯神社への参拝中から息苦しさが加わって深呼吸ができなくなっていましたが、7月の出張が終わるまでは氣を緩めるわけにはゆきません。クロエの仕事は他の講師では代替えが効かない仕事です。責任感というよりも使命感です。

①息切れ と②カラ咳 と③嘔吐 と④ツバが多数 といった「呼吸器系統のがん患者特有の苦しい症状」が、出張予定の1ヶ月前から多数有りました。

出張をやり遂げて、東京に帰ってきてからの入院となりました。

クロエは出張と老人ホームと病院に入っている両親への2年ぶりの顔出しをやり切って、東京に帰って来てから倒れる予定で、7月の自分のスケジュールを組んでいました。

9日間の入院ライフに意味があるとすれば。。。

今回の入院の結果、得られた一番大きな収穫は、妹アーニャが姉クロエの乳がんが深刻なものであるという否定していた事実を、ようやく事実として認めて受け入れたことです。

主治医の緩和ケア医、廣橋猛医師(45歳)から妹アーニャの携帯番号に、わざわざ電話してもらいました。(姉の携帯電話番号が妹によって着信拒否されている。)

主治医が直に家族に電話するといった「雑務」は医師は通常はナースに丸投げしてしまう傾向がありますが、廣橋猛医師は患者の家族にきちんと対応してくれました。

廣橋猛医師だったからこそ、この「雑務」をやってくださったのだとクロエは理解しています。

 

かなり高いレベルの人格者=廣橋猛医師!

なのですから。。。。

 

「お医者さまは、エライんだあ〜!!」

 

「お医者さまは、激務で忙しいんだあ〜!!」

 

「忙しいから、丸投げできる雑務は立場が下の役職の部下に全部丸投げすることが許されるんだ。」

 

「そしてこれが、医師免許を持つ者の特権なんだあ〜っ。」

 

という旧来の医師の勘違いな感覚が医療業界全体の空気の中に残っているうちは、主治医と患者の間に強固な信頼関係なんて築けっこないとクロエは確信しています。

このことに気づいている保険診療の勤務医は、一体どれくらいいらっしゃるんでしょうね。

そして、田舎に行けば行くほど、そうした考え方になる傾向が強くなります。田舎に住む一般人の地元の大学病院への技術への信頼を通り越して崇拝レベルという会話を聞くごとに、クロエはゲンナリします。(モルモットにされることを有難がっているとすれば、知能レベルを疑われてもおかしくはない。)

 

(閑話休題)

 

昨年の秋に乳がんが発覚してから、姉クロエは妹アーニャに複数回に渡って姉の乳がんという深刻な病気を知らせて来ました。

医師の診療情報提供書のコピーDWIBSサーチによる画像診断のコピーを妹アーニャへの手紙と一緒に入れて伝えて来ました。

その度ごとに、妹アーニャは知らんぷりを貫いて来ました。

きっと妹アーニャは、姉のことは一切考えたくなかったのでしょう!大人なっても発達障害のチック症を(手放したくないから)ご後生大事に持ち続けている人間です。

 

突然、見知らぬ医師から自分の携帯に電話がかかって来て、妹アーニャも今回ばかりは姉クロエの「かなりヤバイ状態の癌(=入院)」を信じたようです。

妹アーニャの猜疑心の強さと執念深さ、半端なし!

 

嘘をつく人間は、「自分」と同じように「人も」嘘をつくもんだと思ってしまう。

(自分を守るための)嘘をつく人間は、「自分」と同じように「人」も嘘をつくもんだと思ってしまう。

これは、一つの真理のようです。

 

見かけは女らしくて、か弱くて、守ってあげたくなるような雰囲気を持ち、妹アーニャがそこにいるだけで場の空気が良くなり、人を寄せつけやすい気楽な雰囲気を放ちながら周りから好かれる妹アーニャですが、身かけとは裏腹に、中身は、こだわりが強くて周りからの意見を聞かない。ガンコで我が強く、その我の強さを巧〜く隠す才能がある妹アーニャの本質は、近しくなった途端にバレて男から退かれてしまう。

 

人のことを信頼していないので、心を許すまでに時間がかかる。

 

妹アーニャと根気よく信頼関係を作れるような辛抱強くて愛情深い男性しか妹アーニャの元には残らない。

話上手で聞き上手で、交流上手で、あれだけモテるのに妹アーニャが独りぼっちなのは、どうやら妹アーニャの二面性に原因があるようです。

 

癌でも旅行に行ける 癌でも自分のペースでなら仕事ができる

「人を信じない性格」に加えて妹アーニャの癌患者全体へのライフスタイルへの無理解(癌患者のライフスタイルへの知識の欠損)が挙げられます。

 

がん患者だって、旅行はできます。

 

がん患者だって、仕事はできます。

 

インターネットの恩恵で誰でも正確な医療情報にアクセスできるこのご時世、ちょっと調べれば分かることなのに、癌患者のライフスタイルを理解する気持ちが、妹アーニャには無かったようです。

 

妹アーニャは、病床にある両親の旅立ちが秒読み段階にせまった今、妹アーニャの心はしめつけられて「臨界を超えて、いっぱいいっぱい」と予測されます。(妹アーニャは、現在、都内病院(おそらく心療内科)に通院中だと、廣橋猛医師からの情報)

 

人としてのキャパシティが小さいと(人を支える力が無いので)自分で自分を傷つけて自己処罰を解消できません。

 

※なお、人としてのキャパシティが小さいのは良いことでも悪いことでもありません。人としてのキャパシティの大小には人間の優劣はない。人としての度量というのは大きければ大きいほど優れた人間というわけではありません。

人としての度量が大きければ大きいほど「人を支える力」が具っているので、「自分を面倒を見ることに加えて」その人は「他の誰かを支える人生」となります。器の大きな人は人を支える苦労を難なく乗り越えてゆく才能が、もともと具っています。

人は自分の度量に応じた、誰かを支える人生を引き受ける事によって自分の人生をさらに喜びで生きることができるから。

 

 

※その後すぐに、妹アーニャは廣橋猛医師の著作を読み始めたようです。妹アーニャの情報をキャッチする力は半端ない。

 

 

 

 

 

 

【続く】

 

 

 

 

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